20211130

原稿の締め切りが今日まで。頭のなかのことを形にすべく、まずは心身を起こすことからと遅めの朝ごはんを準備する。菊芋と豆苗と鶏ムネのスープを作って、ツナマヨならぬ鯵マヨトーストを焼く。りんごもむいて、同居人と一緒に食べる。彼女はいい匂いのするラベンダーのお茶を淹れてくれた。

これからつくる文章は、自分と音とのことについて書きたいなと思っている。連載タイトルが「マドロミ通信」なので今の暮らし(お家の輪郭)とむすびつけよう。まず日田という土地にきて、環境がまるきり変わり、さらにお家に来て一層変化したこと。それでもやはり余白もできることも限られているホルンをずっと演奏していること。

なんとなく流れでそうなりました、と、きっと大概のことはそれで収まるのだが、自分とは「選んだこと」と「選べずいたこと」でできている。どうしても流れられない川があり、危なくても流れに行くしかなかった沢があった。言葉にできない微妙な事柄ばかりだが、可視化することで自分のお腹の中に芯ができるかもしれない。この人物に一本の軸を見たい。おそろしくねじれていそうだけれど。

そんなことを昨日から考えていたからか、なんなのか、昨晩オーケストラの仕事に遅刻する夢を見た。エキストラ出演の私はドヴォルザークのスラブ舞曲第一番が意気揚々と始まるのを舞台袖から耳にして「しまった!」と思いながら、なぜだか組み立てられない楽器と格闘し、ズボンのベルトを探してべそをかいていたのだった。

もう泣かないでよい暮らし
アイーダと桜並木が続く道半ばにて

11月も終わりますね