20211226

大きな鹿スモーク銀色のふくろをもちて
ホテル玄関扉から颯爽と入ってきた
ベーシスト笑顔のはじける終演後の

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川を望むホテルのフロントにて、ライブに出演した今日。観客の近さ多さにすごくどきどきしながら。対面のみなさま180°よりもずっと広角に座っていらして、立ち位置を慎重に慎重にえらんでいた。
昨晩のライブも感じたが、客席のあたたかさがすごく伝わる。今日の会場のロケーションは、わたしの演奏場所からメンバー越しに三隈川の川面がものすごくよく見えて、時間帯でうつろう光や横切る白鷺の群れが本当に美しかった。

演奏のこと書きたいけれど、まだ言葉に落ちていない感触もある。別日に書くかもしれないしないかもしれない。打ち上げのピップスでは、いわしのピザをすばやくたいらげて、パフェも注文した。ピップスのお料理はみな美味い。わしらの事務局のようなことをしてくださる瓦職人さんも一緒だった。春ライブのお世話になるので、今後の話ももちもち。

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打ち上げの途中で退席。向かったのはリベルテで、どうしてもみたかった「偶然と想像」という演目が今日までだったのだ。外は雪。「今日は寒かったねえ、ずっとマイナスだよ」と支配人が笑っている。レイトショーわたくしひとりだったから、自由な姿勢でちょっと振り付けしたりたくさん笑ったりしながら鑑賞していた。

映画はとてもよかった。煮え切らぬひとふしひとふしの描写が潔くて美しい。シューマンの挿入曲が映える。先日譜めくりしたのもシューマンだった。長いタクシーの対話シーンも印象的。これはことしの9月に東京を運転した日のこと反芻。花をつかむひと、花を持たせるひと、じぶんは後者の役回りも多いので作品の焦点のあてかたにいたく共感し高揚した。愛と憎悪は矛盾のようで十分に相席可能、表裏一体ともいえる。人生とはこうしたもの。年の暮れに観れてたいへん幸せな体験をした。リベルテにも良いお年をと伝えてあとにする。

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長い日記だけれど印象をもうひとつ。今朝家をでるとき郵便受けにて発見した、お友達の慕っているミュージシャン、久米貴さんのCDが家に届いていたこと。先日リハーサルでお宅にお邪魔した際、流れていてそれをきっかけにSNSでお願いして送ってもらったのだ。いま自宅でそれを聞いている。ふしぎな野生の宝のような音楽、よく友達がカバーされていて心に残ったのがはじまり。わたしのお願いメッセージ受信後、すぐに送ってくださったんだなあ。うれしい。東京に行ったらおあいしてみたい

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今日の日記は緩急とかまとまりつくるのができなかった。
蛇口流しっぱなし、カロリーばくはつみたいな文章もいつかなつかしくなるのかしら。

なんだか色気のある日じゃったわー