20220214

寄稿の機会があり、文章を練っています
公にはちとひとりよがりかなあとか思いながら、ひとまず正直に胸の内を見つめ、軸にしたい言葉たちを出す時間。

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とっても素敵な赤の他人

2021年10月から2022年3月まで、私たちが旅した期間である。
8歳から72歳、総勢29名。育った背景も普段暮らす環境も異なる人間が、毎週集まり稽古に奮闘する…大変なこともあれど、かなり美味しい日々だった。彼らに一番近いお世話係として一緒に過ごせ、有難い体験をしていた。

さて、こうした長期企画の醍醐味は「関わる者ひとりひとりの変化」ではないだろうか。一番変化を迎えていたのは年末から年明けにかけてくらいだと思う。全く別々に過ごしているキャストたちが集う稽古場は、言ってみれば非日常。今一番必要なのはコミュニケーションなんじゃないかと、ミーティングの機会をとった日が発端になった気がする。自主練習が増え始めたのもこの頃。受け身がちだった彼らが、どんどん能動的に動くようになり、なんだか楽しい化学実験を目にしているみたいだった。

「黒田さん、今こんなこと考えてて。どうかな…」の相談は、大体「いいじゃん、やってみようよ!」とお返事していた。大切にご指導くださった徳満さんの愛情いっぱいの大きな羅針盤と、不器用だけどひたむきで個性派揃いのキャストたちの小さな矢印が、今日の舞台を作った。

今日までの日のことが、関わったすべての人たちの宝物になったらいいなと思う。
客席のみなさまにも、今日出会う舞台の後ろ姿が、少しでも伝わったら幸せに思う。

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数えてみたら目標の字数を200字近くオーバーしている
わはは