振り返って
会館のお仕事をするときは、
クレジットの載らない人でありたいなと思いながら、なんとなくここ三年くらいを過ごしている気がする。
わりとはなから、自分のことをアートマネージャーじゃない人ととらえていて、じゃあどういうことなのかというと、もっとオバケとか妖怪、ポケモンのようなものもやりたいなと思っているのだ。
今回活動初日だったか、「スタッフの人柄がやわらかい気がします」という感想が受講生から出た時、「これは個人の性質というよりも、会館や土地のエッセンスがわたしたちにチューチュー注入されている、そういった要素が大きいのかもしれません」と返事したことがあった。
この5日間は、会館のオバケになりきって、野村さんや受講生たちにくっついていた、というのがいちばん近い気がする。
わたしはまるごとふれぶんを展開したくて全身をあけわたしていたのだった。
今回にかぎらず企画者は書き手として匂いが立ってしまうものなので、さりげなく工夫してちいさくいるつもりだ。
だから仕事のことで、自分の名前が消えて施設名だけになった瞬間、しめたぞ!といつも思う。
ウクレレ職人のイズミさんと民芸の話をしたことを思い出している。
いつのまにか暮らしに寄り添うものにクレジット名はない。わたしの仕事が民芸のようであったらいいのに