20240710
海より川派とはなす・目の前のひとたちは
小さな頃から仲間たちと自転車で上流に駆けつけては汗だくの身を川面に投げたという。川に行ったら顔だけ浮かべて一日中泳いでいられる。激流のいなしかたが身体中でわかる。みんな自分が飛び込みたいけん。じゃんけんで勝ったひとが飛び込めるんよ。負けた人は仕方がないので自転車を押す。みたこともないはずの情景が鮮やかにつぎつぎ思い浮かぶのは、お話のすべてが実体験であり、うそや誇張がひとつもないからだろう。軽やかなお喋りには、5m、いやときには10m先の水面への飛び込みさえ含まれるから驚きだ。さらりとお話なさるけれど、10mといえば会館のてっぺんから地面までの距離とほとんど同じじゃないか。ころころ素朴に笑ってすっきり話すひとたちの日常・体に宿っているであろう肝っ玉とバランス感覚には、ただただ圧倒されるばかり。
ここにきて、ほとんど半年。
あたりの言葉に耳を傾け、必要だと感じる道をひとと一緒に/ときにはひとりで模索する日々が、じりじりと身を焼く。これらは留学のようにも思えるし、いままで暮らしたまったく別の土地からの仕事の続きだという実感も湧く。
わたしの発想、書いたものや口ずさんだものが、すこしでもここの人たちの明るい明日になったらいい。心底そう感じ続けていて、もはや生贄のようなきもちになりもする。