10月末の散文
目分量であたりをつけるときのきもちよさ。5m8歩、ぴんと開いた手の親指から小指の先まではざっくり25センチ。テンポ60、つまり1秒がわかる。25グラムもなんとなくわかる。ほかのひとの感覚もきいてみたい。
例年弱りやすい10月だが、無事に完走しつつある。元気がなくぼーっとする日がとても多かった。手に付かないことを無理に進めず置いておいて、締め切り付近にぽよと形に起こす体験をいくつかした。せっかちなので「できてないなあ」ともぞもぞしがちだが、待ってよかったと思えることが多く、世界との付き合い方いっこ増えたんかもしれない。
今月は、元気がなかったけど、ばくれつすばらしい時間をいっぱい過ごした。おちょこさんの即興ワークショップの初回が、特に自分にとって大きな体験。音楽家としてのあり方、企画を書くこと、文化施設の気配のこと、音楽とよのなかのつながり、などなど。この会には、自分の興味関心が複合的かつおおらかに含まれている感じがして、関わりを持ててほんとうに幸運なことだと思う。おちょこさんとわたしの音楽家としてのルーツが全然違うことも、おもしろい作用が発生しそうで、とてもうれしい。
野村さんのことを考える日も増えた。音楽の根っこを振り返っているトークがYouTubeにいくつか上がっていて、それをしばしば見ている。今日は来月オープンのみつば商店さんに飾るでっかい絵を描いていたのだが、作業中に2回目を流し聴いていて、その時間もとてもよかった。
野村誠×鈴木潤 ワークショップハンドブック「音楽の根っこ」解説シリーズ 第2回
日課の絵、背景と黒のシリーズが閉じつつある気もしている。もうちょっと続くかもしれないけれど、ペースは落ちそう。このエチュードへのとりくみは、わたくしの構成力や色彩感をかなり上げた。発端となった友人に感謝。