20250709

宇宙船をつくる

とある活動の収束に感化され、ソロプロジェクトのようなことをやろうとしている。

楽団やバンドの中に存在している時間が長く、また企業勤めという一面をもつ自分は群れの中にいることがほとんどである。共演とか、伴奏とか、どなたかと一緒に何かすることがとても多い。ソリスティックにぐいぐい歌をやることがぜんぜん得意でなく、やりたいとも思えない。
と同時に、既存の群れの中にいても、与えられた役割をまっとうすることって自分のひめたる畑そのものではないし、なんだか足りないと長らく感じていて、わたしはもっと違う・えんため的でない音や音楽のシーン、生活音や環境音、暮らしの中の偶然の音、シチュエーションの中にまぼろしのようにそっと現れてあそびたいという気持ちがつよい。

ソロプロジェクト、一体どのようなものであろうか。
音楽家やその他一般の方向けに、即興性のある音やパフォーマンスなどを実験して試みる会を定期的にひらくこと。
そして、ソロパフォーマンスライブを単発でなくシリーズものとしてやってみること。
おおまかに、このふたつをやろうとしている。

所在のなさがそうさせているかもしれない。転勤族なので、すばらしい人や環境に運命的に出会っても離れることもある。どの土地でもやってきたらぽんと開いておける自分のお船がほしい。小型の宇宙船のような船があるといい。

ソロパフォーマンスについて、たましいがソリストでないので、きびしさを感じていた。相槌をうつようなことができたらと思っていて、それは自分自身の音でもよい。わたくしのSound Cloudにあがっているそやな音群はわりとそうつくっている。録音した音をすぐ流して幾層かに重ねられるルーパーというエフェクト機材に着目していた。ノイズ・セッションに触発され購入してから開けずに1年が経っちゃうと思っていたところ、本日初めて音を出すこととなった。たどたどしく重ねられた自分の音は誠実なのに妙で何を考えているかわからない感じがしてすごくかわいい。

即興のことをやろうとすると、音や存在の共存のことをすごく思う。弱い音、ノイズ、とまどいに光をあてあそんでいたい。音の機材に触り、編集が自分のテリトリーになったら、届く範疇や出現可能な場所・シチュエーションが広がるだろうなと思う。

とにかくやってみることと、はじめましての人にひらいておける企画書をつくろうとしている。七夕でも土地の神様でも、協力してもらえそうな気配には乗っかりたいところ。

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余談

先月末、岡山に帰っていたときに、地元の付近でインプロの会を主催されているトロンボーン奏者のねこさんを訪ねた。

おすすめいただいた、ホルン奏者のArkady Shilkloperさんがとても素敵なのでシェア