20251001

20251001

あたらしい月へ

案内してもらった海のことが忘れられず、おどろくべき行動力でフィンとシュノーケルとライフジャケットを購入して、ひとりでまたあの浜に行ってみたのだった。

朝八時は凪
「波がないからいいですね/波があるからもう何も見えない」と喋っていた先日の言葉がよく耳に残っていたから、うまく指標になった。いまはよいときだと思ってさくさく海に浸かっていく。遠浅の澄んだうすいブルーの海。「海の温度は気温とは違う、10月はあたたかいくらい」とも言っていたなあとぬるい海水に浮かんでみる。肺の空気の量を調節すると海の浮力で身体が宙に浮く。仰向けで力を抜いて浮かぶことができてうれしくなった。

シュノーケルも、こわごわやってみる。フィンをつけるとびっくりするくらい歩けない。「海の中では基本縦にはなりませんよ。向きは横。疲れたら上見りゃいいんです。」との言葉もあったな。よこたわってフィンを動かすと何もつけない足とは見違えるようにたくさん動ける。波はまだないから大丈夫。岩場にちかよってみると小さな青い魚たちは、いままで見た野生のどの生き物よりも人間をおそれない。「泳がなくていいんです」とも言っていた。そうか、泳がなくていいんだ。シュノーケルに慣れると息も楽で、水面からぶらさがるように脱力して同じところでずーっとぼーっとただふつうに暮らしている魚やウニやサンゴや名前がわからない生き物たちを見つめることができる。たまに向きがわからなくなって水から頭を出し陸地を確認する。ひとりなのでやっぱりちょっとこわい。

こぶりのタンクに水を汲んでいったのでこれが簡易シャワーである。人がすさまじくおらんので、頭からかぶって身体を拭いててきとうに着替えたらすんなり車にも乗れた。タオルを多めに用意していたけれどそんなに構えなくてよかったくらい。

帰り道、清水に折り込み用のちらしを持込。
ひまか、のかわいい憎まれ口に今日はお休みなんですともごもご答える。
かまん?かまん。の軽やかなやりとりのあとのゆるいお使い