20220105

同居人の声して起きる朝

ここのところ寝覚めは悪夢が多く、じっとりとしている。閉所からの脱出の夢が多い。「ただいまあ」と声のする玄関の方角、「あけましておめでとう」との挨拶に「待ってて。いま、せーの!で起きるから」と目をこすった。

お昼から夜仕事の二日目。朝は時間があるから、散歩と読書する。お茶を淹れて三冊準備。柳宗悦の「手仕事の日本」、この街ではおなじみ往復書簡・月金帳の書籍版を読み進める。長田弘の対談も読みたかったけれど、持ち時間都合で今日は割愛。帰省中結構進んだのでいいんだ。ライブも約10日後に迫る。週末の合奏に備え、楽譜をつくっておかなくては。コードにめっぽう弱いわたくし、バスラインをとるとよいとの助言通り低音域を耳で手繰り寄せる。「ぶんぶん」と話す虫を手で捕まえることを想起した。(それでもコードはよくわからず。)

就業の昼さがり、あけましておめでとうのひとちらほら。他愛のないお話があたたかい。探検の映像を不器用に披露、今後の方向を話す。ずっとつくれずいた文章をまとめようとがんばる。夕方が来たら劇団の自主練習につきそい。ばらばらの年代や性別の者たちが、それぞれの人生の一部分を浸して、ひたむきに一緒のものをつくろうとしていることがとても愛おしい。彼らのおしゃべりや工夫ひとつひとつに耳を傾ける時間。

22時半を回るころ帰宅すると、いつも早寝の同居人が珍しくまだ起きていた。ししゃも買ってきたよとチンして机の真ん中に置く。小さめのお豆腐には、鮭のルイベという発酵食品をのせて分けてたべた。よもやま話に人間の余白が咲く。こうした晩も忘れないだろうなと思う。おもしろい人物と暮らし、生活を共有できることを幸せに感じながら