20211205

長方形・伝言ゲーム

名刺が切れてきたので新しくつくる
なんのことはない、ラベル屋さんというソフトを使い、文房具屋などで売っている専用の用紙を使ってお手軽にできるもの。パソコンで作ってお家のプリンタで印刷する。色インクが力尽きているようで、フルカラーで出すと実に不穏な色調だった。今日はもう夜。インクを買いに出るには山のお家は遠いので鮮やかさを断念し、出来上がりは、白黒・薄味の図案を入れた名刺となった。

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さて、自分の名刺入れの中でじっとしている長方形たちを観察。紙質が上等だったり、光るインクだったり、活版加工がしてあったりと愛を感じさせるものも少なくない。わたくしにも昼用に印刷屋さんで発注されたちゃんとした(?)名刺があるのだが、足りない部分もあり、ひとまず簡易的に別のものを作成している。今回は名前と連絡先の他に、「絵を描く・演奏する」という文言と、裏面にホームページのコードを追加。この名刺が役に立った体験はそんなにないけれど、手元にあるとなんとなく落ち着く。

自分が初めて名刺を作ろうと思ったのは、広島にいた頃だった。当時大学を卒業したてで、演奏の仕事で一緒になった人に手渡すためにあった方がよいと、師に勧められたいきさつ。紙面には、名前と連絡先、ホルンの演奏をすることを表記する必要があった。大学のパソコンルームにある灰色の椅子に座りぽつねんと作った。

それからずいぶん時間が経って、昨年また名刺を作るようになった。昨年の自分にはなんだか文明開花的なことが訪れていたので、「自分とは!」と興奮を気味に、生成色したホットケーキミックスのたねをかき混ぜるような感じで、名刺を作成してそれは楽しい体験だったように思う。自分の写しのような生き物の図と日々の活動を小さくリストアップしたような長方形を作成した。誰の手に渡るかはあんまり考えなかったんじゃないかと覚えている。

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こんな風にしてたまに名刺のことを考えると自分の変遷が見られおもしろいのだが、眼光鋭く「名刺なんか持たないよ」と言い放つ武闘派っぽい人との出会いも忘れられない。

たまには、そんなひとたちに会いに行くのもいいなあと
名刺をつくった晩にもくもく考えている