20211215

天体と音楽

何気なくSNSを眺めていたら、星いのりさんの投稿にて音のワークショップの案内を見つける。調律師の内田輝さんによる、音の感覚を開いていくような内容のワークショップ。昨年末にも開催されたとのことで、今年の4月星いのりさんをお訪ねした際にもその話を伺ったことがある。とても興味深かったのを思い出しながら、今年の開催日を確認。手帳を開くと、ラッキーなことにその日はお休みだった。投稿文の中の番号に電話をかける。

りんりんりん。名前を伝えると、一度きりしかお訪ねしていないわたしのことを覚えてくださっていた。曰く、「お話したとき興味を持ってくれたのが印象的で。ワークショップご案内のお便りも出そうと思ってたんですよ」とのこと。同居人が先日訪ねたことも喜んでいただけたようで、紹介をありがとうと仰っている。なんともあたたかな、朝お電話でのやりとり。

さて、ワークショップの説明には内田さんの紹介文が掲載されている。
紀元前5世紀、ピュタゴラスが発見したとされる「音の法則」から2500年後のいま現在。発見当時のおどろきや感触は、「ピアノの調律」を通すことで体験できるのではないか、とある。耳をひらくこと、日常の音も含め、音の原理を注意深く観察することで、思い込みから解放されるのだとも。紹介文全ての言葉が、鋭く易しく理路整然としている。読んでいてとても心地よい。

偶然ながら昔、「天体が音を出す」というピュタゴラスの説を題材にした音楽を演奏した経験がある。高校2年生のことだった。10代から20代前半はほとんど巨大な編成で演奏していたわたくし、この土地に住むようになって、小さな音と一緒に過ごすことがとても増えた。12月の星いのりにて、この日もさまざま移ろう音にふれるのだろう。耳を傾け、またあたらしい自分に会いに行けるのかと思うと、たのしみでたまらない。