20220501

雨が降りそうです

あっかんべ

ひますぎても疲れるしいそがしくてもしんどいなんて、人間はぜいたくだなあとつくづく思う。誰かと一緒にいたってさびしいし、ひとりきりでもおだやかに凪いでいられるし、どれを選んでもことごとく愉快と不愉快をいったりきたりするのみ。わたしたちは欠陥をただ抱え、不自然を撫でながら、不思議に満ち満ちた命をただやりすごすしかない。

このごろは、ほとんど毎日絵を描いている。なにそんなたいした絵ではない、葉書2枚分くらいの大きさの紙にささと色をのせていくだけ。描くのは昼食の合間や、夜寝る前など、ほんのすこしの時間。あまり何を描くかきめず、いきあたりばったりにやる。ほしいなあと思った場所に色を足していったり、ここはもうこれ以上いらないなと感じたら止めたりする。しばらくすると、絵が完成する。出来上がった絵は、風にも水辺にも雲にも草むらにも見えてたのしい。じっと眺めている。

絵も音楽も言葉が声が決して届かないところに一瞬で連れてってくれて便利だ。何度自分が放出する側の人間で助かったことだろう。しかし、わたしは便利だから音楽や絵をやるんじゃないんだよと思ったらぽちぽちと目から涙がおちてきた。落ちたのは昼食を待つ机の上だった。

すべてのきれいごとへの抵抗が押し出したあまつぶ
絵を描きたい・音を出したい気持ちの根っこはもっともなまなましいものだとおもう
あるいは排泄のような行為であっても、ゆるされたいです