20230327

象とカミーユ

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太り過ぎと不注意でお気に入りのズボンを破ってしまい、気にしつつもそのまま履いていた。

白い休日なのでいろいろするべく、ズボンも繕うことにした。糸だけで閉じてみるとウエストがギュッと絞られさらにキツくなり凄まじい危うさだったので、ずぼんの地をなるべく動かさず穴のぶんツギをあてる試みへと進んでみた。都合の良い布は何かないかなと箪笥を探していると、てぬぐいがこっちをみていたのでひとつ選んでちょっとのぞくような感じで縫い付けてみた。

ずぼんは祖父の葬儀後、岡山を立ち寄った際に親友からもらったもので、これを履いているといろんな人にやたら褒められる。今後も太ったりニュー穴を開けたりするかもしれないが、少しずつコラージュ的繕いとともに歩いていきたい。

さて、春なので浮き沈みがすごい。春でなくともその傾向にあるが。みなさんもそうだろうか。なんとなし、今日は元気あり、電話をかけたのは母校で一番授業が楽しかったソルフェージュの先生だった。学務からつないでもらったら、運良く研究室にいらっしゃるみたいで、みじかい保留音の後に先生の声がし、ろくに顔を出さない卒業生を覚えてくださっていた。「かやさんですね?」の声が素直にうれしい。勢いがついて、高校の頃お世話になったソルフェージュの先生にも電話をかけてみた。すぐつながって「どしたんよ、かやぞう」の声。やっぱり嬉しい。

今月頭、職場に届いた楽譜の話と、自分の現在地の話をほんのすこしすると、二人ともそれぞれ何かを察し、喜んだ様子が伝わる。電話を切ったわたしは、素敵な師のいることを嬉しく思いながら、下手くそな字で春の便りを書いたのだった。